英語が苦手!と感じる要因の一つに、英文を「後ろから訳していく」という習慣(このように習うこと)があると思います。
日本では英文を読んで訳すときには当たり前に行っている人も多いと思います。このプロセスがなぜ間違っているのかを解説いたします。
英語は出てきた順に理解する方が理に適っている
「後ろから訳していく」ということは、英文を「一度日本語に置き換えて」理解するプロセスが前提になります。
このプロセスを経るだけで理解にかかるスピードは格段に遅くなり、理解度も低下します。特に会話においては圧倒的にデメリットしかありません。
She went to AEON mall by car after working in order to buy a gift for her boyfriend yesterday.
例えばこの英文を和訳すると…
「彼女は昨日、仕事終わりに彼氏への贈り物を買いに車でイオンモールに行った」
という日本語訳になります。
文章の後ろから訳する(理解する)クセがついているとどうなるでしょう。
もし会話でこの英文を耳で聞いていたとしたら、全文を聞かないと正確に訳することは容易ではないですね。
この程度の長さなら全部聞き終わっても前半部分の英単語を覚えているかもしれませんが、whenやifなどが入った複文になれば、次々と耳に入ってくる英単語を記憶しなくてはならないため、前半の単語を忘れてしまうかもしれません。
それではどうすれば良いのかというと…
英単語を「出てきた順に」理解していくことが望ましいです。
そもそも日本語と英語の文章構造は全然違う
まず「出てきた順に」理解したほうが良い理由は、日本語と英語の文章構造が違うためです。
単純にして比較すると
英語は「主語-述語-その他」(SVO)
日本語は「主語-その他-述語」(SOV)
もっと簡単に言えば、
英語は「誰が、どうした、何を」
日本語は「誰が、何を、、、、どうした」
要は結論が先にくるのが英語、最後に来るのが日本語、ということです。
そのため、英文を頭の中で「誰が、何を、どうした」の日本語の型にあてはめながら変換すると、英文でいち早く出てくる結論部分「どうした」は日本語だと最後になるので後回しに。
それよりも「何を」を先に言ってくれないと文章が成り立たなくなってしまう…ということになり、脳はフル回転で「どうした」を記憶しながら「何を」を聞き取って補っています。
She went to Aeon mall by car after working in order to buy…
→彼女は仕事終わりに車で(何を?いつ?何のために??)買いにイオンに行った…
実際の会話では一瞬ですが、後ろから訳そうとする方法では、頭の中で正確な日本語の文章が作れなくてもどかしくなりそうです。
このように、日本語の文章の型にはめようとすると、文章中に一時的に穴ができてしまうので、理解が難しくなるのです。
一方、日本語の型にはめずに、英語を出てきた順で理解しようとすると
→彼女は行った、イオンに車で、仕事終わりに、買うために…
一見、「何だこの文章は」と感じるかもしれませんが、日本語の文章にあてはめていないので当然です。違和感を感じなくなることが大切です。
この文章でも意味が理解できますよね?
さらに言えば、この後にどんな英単語が出てこようとも、そのまま付け足していけばいいので理解するのが簡単だと感じませんか?
→彼女は行った、イオンに車で、仕事終わりに、買うために、贈り物を、彼氏への、昨日
このように、第一のステップは、「英語は出てきた順に理解する」ことです。
英単語は英語でイメージできるとなお良し!
さらに言えば、英単語は「英語のまま」理解することです。
出てきた順に理解することに加えてもう一歩進める人は、第二ステップ「英語のまま」理解する。
これができるとさらに理解するスピードが上がります。
例えば、「car」をいちいち「車」に頭の中で変換するのではなく、自分が描いている車のイメージ画像、それを「car」として理解するということです。
試しに『envelop』という単語をGoogleで調べてみると、封筒の画像が出てきます。これで『envelop』=『封筒』ということだとわかります。
ただしこの方法はあくまでも「大まかなイメージ」をつかむためなので、実際に身につけるには用法や発音まで確認したいところですので、weblioなどの辞書で調べると良いですね。
英単語を覚えれば語彙力が増えるので、文章中の単語一つ一つを英語で捉えることはできるようになります。これには少し時間を要するかもしれません。
以上の2ステップで英語を理解すると、もう後ろから訳することの不便さに気がつくでしょう。
ぜひ試してみてください!