誰にでも苦手なことはあると思います。ここでは「英語」がテーマですが、どんなことも実は苦手だと「思い込んでいる」からできない、ということが一因かもしれませんよ。
これを読めば少しでも英語に対する壁は感じなくなるでしょう。
「言語習得に年齢は関係ない」
英語を身につけることは何歳からでも可能です。
日本ではこれまで、英語(その他語学)は幼少期に学習しなければ身に付かないものだと認識している人は多いかと思います。
しかしこの考えは、実は科学的には何も証明されていません。
私たちが簡単にテレビ等で目にできる芸能人・著名人のみなさんの中には、英語が堪能な方も多く、大人になってから語学を勉強して身につけた方も多いのです。幼いうちから英語のような第二外国語を学習しなければ身に付かないのであれば説明がつきません。
心理学者で有名なDaiGoさんは著書の中で、「脳は勉強をし続ける限り成長する」と述べています。これを受けて、「英語は何歳からでも身につけることが可能」だというような内容も話しております。
英語をうまくなるための障害になっている考えをなくす
良くも悪くもその人の考え(思い込み)は行動を決定づけてしまいます。あえて「思い込み」という言葉を使ったのには理由があります。
私は海外で過ごしたり多くの書籍を読んだりしたことで、日本にいると「思い込ませられている」ことの多さに気がつきました。
英語に関して言えば、前述した「学習開始年齢」や、「ネイティブのような発音で話す英語=本当の英語」「TOEIC=英語力」、このような考えはすべて、そのように思い込まされているだけです。
これらはいずれも完全に正しくはなく、多くは日本(韓国も状況は似ている)の間だけで通用していることです。まずはこの考えを取っ払うことが効率の良い英語学習のスタートになります。
「学習開始年齢」はいつからでも問題ない。
大人になってから(幼少期以降)語学を身につけた人はごまんといます。
きっとあなたの周囲でも同じように語学を身につけている人はいるでしょう。例を挙げますと、サッカー日本代表の川島永嗣選手は英語をはじめとして、ヨーロッパの多言語を話すことができます。しかも川島選手は大人になってから勉強を始めています。
俳優、女優さんにも大人になってから英語を身につけた方は実に多いです。青木崇高さんや相武紗季さんは仕事の傍ら留学をして英語を話せるようになっています。お笑い芸人の小島よしおさんは数年前から英語を勉強し、外国人とコミュニケーションをとれる英語力が身についています。アメリカ人の厚切りジェイソンさんは社会人時代に日本に来たことがきっかけで勉強を始め、今では日本語が堪能です。
このように、いくらでも大人になってから語学を身につけた例を挙げることができるほどです。彼らが天才だから、とかそういうことではありません。「自分には英語始めるのは遅すぎる」なんてことはないのです。大丈夫、始めてみましょう!
世界中でいろんな英語が話されている
日本人はなぜか「ネイティブのような発音で話す英語=本当の英語」だと勘違いしている人が多いようです。そしてネイティブのように話したい、と思い立って勉強を始め、途中で挫折してしまう。そんな話はよく耳にします。
世界で英語を話す人口は、約17.5億人という統計が出ています。そのうち、英語が母国語の人口は3.9億人です。
残りの13.6億人は「母国語と英語(またはその他言語も)が話せる」ということを意味しています。ちなみに、日本で英語を話せる人口は、2015年時点で約2%しかいないという統計があります。
上記の数値から、英語を「第二言語」として話している国が多いということがわかります。これらの人たちみんながネイティブのような発音の英語を話していると思いますか?
答えはノーです。
世界では「グローバルイングリッシュ」という考え方が共通認識として広まっています。これは単純に言えば「コミュニケーションとしての英語」です。
間違っても、世界中の誰もが英国で話されるような英語を話すべき、という意味ではない。それぞれの国独特の発音や訛り、アクセントは構わない。それぞれの国の文化や習慣に合わせた話し方で構わないが、相手や聴衆に自分の意見や意志が、わかりやすく、明確に伝わるスタイルで語るべき。ということを意味している。
現在はこのような考えが浸透しています。日本から出て何ヶ国か回ってみると一目瞭然です。それぞれの国で話されている英語は多様であり、その国の人たちは観光客相手に臆することなく話している光景を見かけることができます。
私も初めは国によって英語のクセがあって聞き取りにくい、と感じていましたが、観光で来ている欧米の人たちは難なく聞き取れているようで、彼らとスムーズにコミュニケーションが取れていました。
単にその時は自分のリスニング力の未熟さ、そして英語に対する思い込みがあったせいで英語を狭く捉えていただけでした。
日本人が話す英語には日本人訛りがどうしても表れてしまいます。しかしそれでいいんです。日本語にない発音の[r]や[th]など、これらは多少練習したほうが伝わりやすいですが、何も「ネイティブのような発音ができないからダメだ」、なんて考えなくても良いのです。
TOEICはすべての英語力を測る指標ではないことを知る
日本人ではTOEICがとても人気の英語試験の一つです。
「英語」と聞けば、「TOEIC何点?」のように話が展開していく場面は多々あります。
実は、一般的に語られるTOEIC(L&R)ではその人の英語力全般を測ることはできません。なぜなら、テストされる分野は「リーディング」と「リスニング」だからです。つまり、その人のリーディング力とリスニング力を測定するためのテストであって、英語力を測定しているのではありません。体育の授業で、球技が抜群にできてもその他が苦手だったとしたら、成績で5はつきませんよね。
今でこそTOEICの試験は「SW」という、スピーキングとライティングのテストも受験できるようになりました。しかしまだ認知度が高くないようで、従来のリーディングとリスニングのテストとしてのTOEICの方が受験者数は圧倒的に多いです。
最近は外国人と面と向かって接する機会が増えています。そこで求められる英語力とは「コミュニケーション能力」です。リーディングやリスニングだけでは不十分です。
TOEICスコアが800前後もあるのに全然会話ができない人に何人も会ったことがあります。まったく話しが噛み合わず意思疎通に苦労したこともあります。
理由は上記の通り、そもそも測定している分野が違うからです。スコアだけ高く、実用で活用することができない人は、単に「TOEICで出題されるリーディングとリスニングの試験の成績が良い」ということです。
しかしTOEICのスコアが高い人は、語彙力が豊富で、文法力もあり、ビジネスにおけるリーディングやリスニングの力があります。そのため、スピーキング力の向上も早いでしょう。なにより、日本国内では海外業務がある企業への就職にはとても有利です。
使うことでしか身につかない
英語に対する考え方を変えられたら、次のステップは「英語を使う」ことです。
フィリピンで語学学校に通っていたときに、先生たちが口を揃えて話していたことがあります。それは、スピーキングに関しては「おしゃべりな人は上達が早い」ということです。
これは、文法も発音も正確ではなくても「とにかく口に出す」ことが近道という意味で、「間違える→直す」を繰り返すことができるため、だんだん「即座に」「正確に」英語を口に出すことができるようになっていくのです。
日本では学校教育によって、文法と英語→日本語訳のインプットをされ続けてきたので、それを使う時間を増やすことで英語力は伸びていくのだと思います。
もしも文法や単語を忘れている方は、中学・高校英語の復習用のための書籍がたくさん販売されているので、それらを使って復習するとすぐに思い出せるでしょう。同様に、英単語に関する書籍の種類も多いのでインプットには困りません。
そうした下地を作った次は、アウトプットが必要です。とにかく使いましょう。仕事でその機会がないのであれば、「街にいる外国人に話しかける」「オンライン英会話レッスンを受ける」「SNSで外国人とつながる」など、やろうと思えば方法はたくさんあります。
やってはいけないことは、ひたすらインプットだけに時間を割くことです。「ネイティブのように発音できるようになってから外国人と話そう」「日常で使う単語をすべて覚えてから外国人と会話しよう」これではいけません。こういった「準備できたら何かしよう」という考え方は日本人に多いです。
すべて逆です。「外国人と話す」実践が先で、「発音が良くなる」「単語が覚えられる」成果は後から付いてくるのです。
「失敗することが恥ずかしい」と感じることは理解できますが、「間違える、失敗を経験する」そうしなければ上手くはなりません。何事も同じですよね?何かを身につけるということは、失敗して練習を繰り返すことが必須です。
アルバイトでも仕事でも、最初は先輩に教えてもらいながら、そして間違いながら成長していったはずです。そのうちにスムーズにできるようになったのではないでしょうか?英語でも同じです。
同じような仲間と、英語を使って話す時間を設けることで、このような恥ずかしさや間違いを恐れる気持ちは低減できるでしょう。また、英語の先生のオンラインレッスンを受ける、または直接教えてもらうことも良い方法です。
英語をす身につけたいという方は、ぜひ参考にしてください。